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2005ロード世界選手権
女子ロードレース

開催場所:マドリッド 21km×6周 126km
2005年9月24日 9:00〜


女子エリート ロードレース

JPCA・ラ・ピスタ・ワナビー
JPCA・カツリーズサイクル

優勝 Regina Schleicher (Germany) 3.08.52
2位 Nicole Cooke (Great Britain) +0.00
3位 Oenone Wood (Australia) +0.00

60位  沖 美穂 +2.26
106位 唐見実世子 +19.40
写真


世界で戦う女性、世界選手権へ。
女子のスタートは早く、7時前に宿を出るがあたりは真っ暗だ。

出走する沖美穂は今年で6年目の出場、と、世界選手権の大ベテラン。
世界でも女子の有力選手に数えられる沖は、世界の大舞台を多く経験している。

小柄で、指にはきれいなネイルアートを施し、
ウェーブのかかった髪を束ねた彼女は、どこから見ても女性的であるが、
他の誰よりも、貫禄ともいえる自信がただよっているようにも感じられた。
オランダからイタリアのチームに移籍した今年も、新天地で活躍している。
自己紹介の際には並みいる初出場組の中、
「今年こそは結果を出したい」と、笑顔で語っていた。

アテネ五輪と同じく、沖とともに出場する唐見は、
今年からイタリアのチームに所属。
世界進出の元年となった今年は、まず順応が一つの山だったという。
今年の締めくくりとなる世界選手権であるが、
さまざまな試練を乗り越えて来た感のある今、
気負うことなく、自分自身のリズムを持ったまま、
このマドリッドにやって来たという印象だ。

女子は、このコースを6周する。
緩急がそれほど厳しくないコースではあるが、
この上りでも女子としては、緩いとはいえないそうだ。

レース
ロードレースとしては最初に開催されるカテゴリー。
いろいろな意味でも注目が寄せられる。

午前9時、沖は最後尾からのスタート。
まったく落ち着いた様子でコースへと出て行った。

冒頭から、予想していたよりもペースが速く、
第1周目は41km/hほどで終えたが、
2周目は、37km/h以下と、一気に落ち着いたペースに。
レース前の想定スピードは38km/hであった。
まだ、展開というものもなく、沖も唐見もメイン集団で走る。

ところが、3周目には、日本にとって大きなアクシデントが起きる。
アタックがかかり、集団のペースが上がった。
ここで唐見の目の前を走っていた選手が転倒、
避けきれなかった唐見がその上に乗り上げてしまったのだ。

すぐに立ち上がり、集団を追った唐見だが、
運悪く、加速していた集団には、
一人の力では追いつくことができなかった。

他の選手と合流し、協力して集団復帰を狙う。
このスピードコースでは、集団から千切れたら終わりだと
選手が口々に語っていたことが、頭をよぎる。

沖は安定したペースで、メイン集団後方に陣取っていた。

3周目、4周目とペースは一定、およそ40km/hで進む。
アタックがかかるものの、決定的なものにはならないまま吸収されていく。
しかし、集団はだんだんと割れていき、
堪えられなかった選手たちは、ふるい落とされて行く。

残り一周、ペースは変わらない。
沖が入っている先頭集団は、勢い良くコントロールラインを駆け抜けて行く。
ここから、どのような展開が起こるのか。

唐見は、3人でひたすら前を追う。

集団はヒートアップ。
一つ目の上りでは、決死のアタックが次々と投げかけられる。

しかし、すべて吸収され、勝負は二つ目の上りか、
集団スプリントか....

ラスト10km、アメリカの
クリスティーンがアタック、
スペインの期待を一身に背負ったソマリバが動く。

またアメリカ、ニーブンが飛び出した。
T.Tで銀メダルに輝いたアームストロングのための動きか?

ドイツが、オーストラリアが、フランスが動く。
残り4km、ニーブンが吸収され、オランダのスザンナがアタック
残り2km、スザンナを飲み込んだ集団の前方には、
ドイツ勢と英国のニコル、そしてソマリバ....有力選手が
全身全霊をかけて抜け出そうともがく。

ドイツのアーノルドか、同じくドイツのシュライヒャーか、
ニコルが、右に左に、川を上る魚のように身体を大きく揺さぶって
すこしでも前方に伸びようとペダルを踏み込む。

最初にラインを越えたのはシュライッシャーだった。
チームメイトが大きくバンザイをする。
英国のニコルは2位、オーストラリアのウッドが3位。

最終周回、激しい展開の中で、
惜しくも先頭集団に乗れなかった沖は、続く第2集団でゴール。

唐見は諦めず、周回をこなし、106位でゴールした。

マドリッド郊外での練習
公開試走の際、ヴィランクと
メイン集団で粘る沖
一人集団を追う唐見
ニコルの気迫もすごかった
うれし涙をこらえた表彰台

レースを終えて
「どうしても、世界選手権だけは」
前に行かれない、と語った沖。
今年も、ワールドカップで5位に入り、
国内では無敵、「女王」の名を欲しいままにする沖だが、
いつも世界選手権だけは思うように走れないという。

「いつもとほとんど同じメンバーなのに、
気がつくと、いつも千切れているようなメンバーの中で走ってるの!
どうして私ここにいるの?って思うんだけど、
どうしても、どうしても上がれない....」
と語っていた。
これが、世界選手権の魔力なのか。

今回の遠征にも、自分が食べるものをしっかりと持参して来た沖。
必要なものは、きっちりとリクエストし、
自分のための環境を整える。
自己管理も、プロの大切な仕事である。
沖の身には、それがごく自然なこととして根付いていた。

全日本選手権、ジャパンカップ、
国内の大会の連覇記録の更新も楽しみであるが、
これからも、沖はひるむことなく、世界のトップを走り続けて行くのだろう。
ホテルにて